“ HJ GALLERYさんでは初めての個展です。
自分の仕事は工芸家として素材に惹かれている部分と、過去に工業デザインを志した部分が重なり合って成り立っています。
アイデアの前提には常に自分が調合したガラス生地があり、その素材の表情を活かし、生活に定着させるために器の形を与えます。
成形はガラスが伸びやかに美しさを保っているかどうかを注意深く判断し、機能性を損なわない範囲で、使われる場や納められた棚の空気を作ることを意識しています。
器は道具であり、場の空気を作ることができます。
どんな道具にも使うためのおおまかな正しい方法があり、より特殊性の高い道具には厳密な所作が求められます。使うための場に精神性が求められていくと、道具は作法の起点になり、その連なりが儀式になります。
もちろん自分の器はそんな堅苦しいものではありません。
日常の中に少しだけハレが入り込むような、部屋の空気を入れ替えてからグラスに水を注ぐ、そんな少しの場の整いに、自分の器が作用できたらとても嬉しいです。“ 笹川健一さんより
ガラス作家 笹川健一
1981年神奈川県生まれ。多摩美術大学美術学部工芸学科ガラスプログラム 卒業。多摩美術大学大学院美術研究家博士前期課程工芸専攻 修了。財団法人金沢卯辰山工芸工房 研修生。2010年~2014年 多摩美術大学工芸学科ガラスプログラム 助手を勤める。現在は京都府の工房にて制作を行う。(作家在廊日:5月12日)
ブルーグレーのガラスに一瞬を閉じ込めたような細やかな気泡。
そして、凛としたシルエット。
美しく静かでありながらも強い存在感を放ち、その佇まいには意志を感じます。
再生ガラスを使用し、そこに彼特有の色が入り、細やかな気泡が器をめぐり
機能と美しさを突きつめた器の形。
陶芸家のように窯からご自身で作り、道具も使いやすいようにいくつか彼が作り、
素材も彼特有の配合で毎日仕込んでいます。
そして、薄く美しい正確な形たちをつくりあげる。
文字通りひとつひとつ、丁寧につくっていく。
その全ての美しさに心奪われます。
笹川さん特有の色と、その質感と丁寧で美しいつくりは、
グラスがそこにあるだけなのに、身惚れてしまいます。
身惚れた瞬間、静かに自分の心が湧き立ちます。
そして、引き込まれます。
別の世界に。
一つのグラス、ひとつの花入れから、私たちの暮らしは変わります。そして心のありようも。
そんなグラスには水を一杯入れただけなのに、
その飲み物に魔法がかかったように感じてしまうから、器の持つ力を感じずにはいられません。
彼のつくり上げる世界へ、ぜひ。ここでしか見られないものが広がります。
HJ GALLERY
北条 満李子
開催日程
2022年5月12(木) ~ 21日(土) 11:00~16:00
作家在廊日:12日(木)
【会期中のイベント】
5/14(土) HJ MARCHÉ 48 “about time”
約1年ぶりに、さまざまなお店が出店するHJ MARCHÉを開催いたします。
詳細は、こちらからご確認ください。
【カフェ営業について】
開催中は、無休で営業。
12日 – 14日,19 – 21日は縮小して営業。
上記以外の日は、ドリンクのみのご提供となります。
【感染症拡大防止のため】
マスクの着用をお願い致します。
また発熱のある方はご遠慮ください。
ご予約を優先し、状況により人数制限をさせていただくことがあります。
除菌、換気を十分に行いながら開催いたします。
その他、最新情報はInstagramをご覧くださいませ。